謎が謎を呼ぶ!タイトルが意味深な1クールアニメ10選
「作品の顔」とも呼べるタイトル!
インパクトのあるタイトルだと、ついつい見たくなりますよね。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』や『ユーリ!!! on ICE』など、主人公の名前を取っている作品があったり、はたまた「どういう意味??」と謎めいた作品もあったり。
今回は、「タイトルが意味深な1クールアニメ」を10作品紹介。
主観に交えた考察を展開しているので、ご意見がある方はコメントなどで教えていただけると嬉しいです!
※一部ネタバレを含みますので注意してください。
タイトルが意味深な1クールアニメ10選(作品名・五十音順)
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
「あの花」の愛称で親しまれ、放送されたのが2011年であることを考えると、かなり長めのタイトル。
大量の検索結果があるように、大きな謎となっている。
「あの日見た花」とは、本間芽衣子(以下、めんま)を指すと考察。
根拠は、めんまとお別れした後にじんたんが言ったセリフ。
やっぱりめんまは笑った。俺たちは大人になっていく、どんどん通り過ぎていく季節に、道端に咲く花も、移り変わっていく。あの季節に咲いた花はなんて名前だったんだろう?小さく揺れて、触れればちくりと痛くて、鼻を近づければわずかに青い日向の香りがした。次第にあの香りは薄れていく、俺たちは大人になっていく、だけど、あの花はきっとどこかに咲き続けている。そうだ俺たちはいつまでもあの花の願いを叶え続けていく。
長セリフの中に、「花」は4か所に登場する。そのうち、1番目の「道端に咲く花」以外の「花」は、なにかを比喩している。
それぞれの「花」を形容する言葉は、めんまを形容する言葉にもなっている。
そして、終盤にある「あの花はきっとどこかに咲き続けている」は、「めんまは別のものに生まれ変わってどこかで生きている」と読むことができる。
これ以外にも、いろいろな考えができる深いタイトル。
本編を見返すのも良し!
ネットでお気に入りの考察を探すのも良し!
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荒ぶる季節の乙女どもよ。
この作品のテーマは、性。
もっと言うなら、「えすいばつ」と表現される性行為。
登場人物たちは、その「えすいばつ」にふりまわされる「荒ぶる季節の乙女」たち。
「どもよ。」という表現には、思春期を生きる少女たちを楽しんでみる視聴者視点を示しているのではないか。
これはあくまで主観だが、この作品がピシャリと刺さる層は、まさに今思春期にいる少年少女ではなく、大人たち。
「『セックス』とハッキリ発音することも躊躇した時代もあったな~」と、恋や愛に振り回された自身の学生時代を懐かしみながら楽しめる作品だと思う。
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イエスタデイをうたって
「RCサセクション」というバンドの曲が元ネタとなっている。
RCサクセションは、忌野清志郎を中心として結成された日本のロックバンド。 「King of Rock」「King of Live」の異名をとるなど「日本語ロック」の成立、現在日本で普通に見られるロック・コンサート、ライブ・パフォーマンスのスタイルの確立に大きな影響を及ぼした
出典:Wikipedia
RCバンドが歌う『イエスタデイをうたって』は、1970年発売の2ndシングルのカップリング曲として収録されており、RCサセクションの初期の作品にあたる。
この「イエスタデイをうたって」というタイトルは、原作者・冬目景さんの未発表作のタイトルだったそう。
RCサセクションの曲の歌詞を考えると、『イエスタデイをうたって』というタイトルには、「昨日何があったか知りたくもないが、悲しそうな瞳をしている『あの娘』からイエスタデイ(ビートルズの曲)を歌ってとせがまれ歌う『僕』」という意味が込められている。
『僕』は、一貫してリクオを指すのに対し、『あの娘』は、物語の中で変化していく。
序盤は、恋人だった頃の榀子を指し、中盤から後半にかけてはハルを指しているのではないか?
「イエスタデイをうたって」には、「あのビートルズの曲を私に聴かせて」と言える(言われる)関係性を指していて、榀子とハルという、リクオをめぐる2人の女性を指しているのではないだろうか。
エルフェンリート
エルフェンリートは、ドイツ語で「エルフ(妖精)の歌」。
厳密には、1888年にHugo Wolfが作曲した"Elfenlied"というクラシック曲を指す。
タイトル以外にも、作中ではドイツ語が複数登場する。
例えば、”Begegnung”(邂逅)は第1話、”Vernichtung”(掃討)は第2話のタイトルになっている。
特に、2000年代の日本アニメではドイツ語が頻繁に使われている傾向があったこと、そして元となったHugo Wolfの”Elfenlied”が作品の静謐な雰囲気とマッチしていたこと、以上2つの理由から神戸守は『エルフェンリート』というタイトルをつけるに至ったのではないだろうか。
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オッドタクシー
「タクシー」は言うまでもなく、主人公・小戸川が運転するタクシーを指す。
問題は、「オッド」。
これは、第10話で明らかになった主人公が抱える障害を指すと考察。
「人間が動物に見える」という障害自体が「オッド(奇妙)」であると考えることもできるし、「キャラクターが動物」という作品全体の「オッドさ(奇妙さ)」も同様に考えることができる。
これ以外にも、「オッド」な要素はたくさん隠れている。
一度見た人も、繰り返し「オッド探し」しても楽しいかも!
かくしごと
作中で明らかにされているが、「隠し事」と「書く仕事」のダブルミーニング。
「かくしごとはなんですか?」
始まりも終わりも、このセリフが用いられる。
タイトルに隠された謎は、簡単なダジャレのようであっさりと解ける。
だが、子犬の声を務めるのが「まさか、あの大物声優とは!?」など、他にも謎が隠されているので探してみては?
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坂道のアポロン
「坂道」は、坂道が多いとされている長崎県佐世保市を舞台にしていることから。
「アポロン」は、ギリシャ神話に登場する音楽の神・アポロンを指している。
作品がジャズを扱った作品であることに加えて、アポロンにまつわる逸話にあると考察。
ダプネーは、テッサリアの河神ペーネイオスの娘である。大蛇ピュートーンを矢で射殺したアポローンが、帰途偶然出会ったエロースと彼の持つ小さな弓を馬鹿にしたことから、エロースはアポローンへの仕返しに、黄金の矢(愛情を芽生えさせる矢)でアポローンを撃ち、鉛の矢(愛情を拒絶させる矢)でダプネーを射た。このため、アポローンはダプネーに愛情を抱いたが、ダプネーはアポローンの愛を拒絶した。
エロースの悪戯によってアポローンは彼女を奪おうと追いかけ続け、ダプネーも必死に逃げ続けた。しかし、ダプネーの体力が限界に近づき、ついにはペーネイオス河畔に追いつめられたため、ダプネーは父ペーネイオスに祈って助けを求めた。追いつめたアポローンがダプネーの腕に触れかけたとき、娘の苦痛を聞き入れたペーネイオスにより、ダプネーは月桂樹に身を変じた。
失意のアポローンは「せめて私の聖樹になって欲しい」と頼むと、ダプネーは枝を揺らしてうなずき、月桂樹の葉をアポローンの頭に落とした。この故事により、デルポイのピューティア大祭で行われる競技の優勝者には、月桂冠が与えられることになった
この逸話から読み取れる「恋も人生も順調にはいかない」というテーマは、作中に登場するキャラクターにも重なる。
ああ、見たくなってきた。
東のエデン
「エデンの東」は、アメリカの作家ジョン・スタインベックが1952年に発表した長編小説。
スタインベックは、この言葉を旧約聖書の中にあるカインとアベルの物語から取っている。
旧約聖書では、アダムとイヴはエデンの園を追われた(失楽園)後に生まれた兄弟の間
に、神への貢物への神からの関心(愛)の差をきっかけに「兄弟殺し」と嘘という罪が発生する。罪を犯した兄が エデンの東に追放される。
アニメ『東のエデン』にも、「兄弟間の葛藤・反発・和解」というエッセンスが見られる。
具体的には、「ニートに固執する若者と上がりを決め込んだおじさん世代」や「非暴力で国を変えようとする滝沢と暴力(核爆弾など)で国を変えようとするセレソンたち」など。
どこに「兄弟」を見出すかは見る人によって違うだろうし、見るたびに異なるというのも、この作品が持つ魅力だろう。
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ブルーピリオド
タイトルの「ブルー」は、3つの意味があることを原作者がインタビューで述べている。
ピカソの青の時代の「青」、青春時代の「青」、主人公がイメージする渋谷の「青」。
ピカソの「青の時代」とは、以下の通り。
青の時代(あおのじだい、スペイン語: Período Azul)とは、スペインの画家パブロ・ピカソが1901年から1904年の間に制作した作品を定義するために使用される用語である。
この時期のピカソは基本的に青や青緑の色合いのモノクロームの絵画を描き、時折他の色が使われるだけだった。
これらの作品は、スペインに触発され、バルセロナやパリで描かれた。
「青の時代」の作品は、現在では人気のある作品の一つとなっているが、地味な作品であり、当時は販売に苦労した。
出典:Wikipedia
主人公が東京芸大を目指す転機となった、『明け方の渋谷』は青のみで描かれる。
また、作中屈指の名セリフも「青」に言及している。
あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの体も青くていいんだよ(森まる)
YOASOBI『群青』とのスペシャルコラボにも、タイトルに込められた「青」がかかっているのだろう。
四畳半神話大系
これは、主人公・”私”が持っている、もっと言うならこの作品の舞台となっている(とされている)京大生にある「四畳半」信仰だと考察。
第10話「四畳半主義者」にて、”私”は四畳半について次のように語る。
そこで四畳半である。一畳や二畳や三畳比べて、四畳半は実にキレイな正方形になっている。美しいではないか。
形式的な美しさ、慎ましさという精神的な美しさを兼ねる四畳半に住むことでこそ、「バラ色のキャンパスライフ」を送れると考える。
これこそが、京大生に伝わる「四畳半信仰」ではないだろうか。
実際、京大のキャンパスがある百万遍の周辺には、四畳半の間取りアパートが複数存在する。
こんな風に、バカ真面目に「哲学」してみたけど、実際そんな深い意味なんてないかもしれないけどね。