無職と1クールアニメ

「明日休みならアニメみよう」をコンセプトに1クール完結アニメを紹介。ネタバレはありません。

大切なブログ友達に教えてもらったアニメ感想

 何かを続けるうえで、同志の存在は大きい。孤独な戦いを選びがちな自分は、一緒に続けようねと言うのが苦手。以前にもブログをやっていた時期がある。多分3年前ぐらい。当時は暇を持て余した大学4年生で、数本書いただけで辞めた。興味本位以上の理由がなかったのもあるが、今思えば同志を見つけられなかったのも続かなかった理由だと思う。その方とは、このブログを始めたほぼ同時期に出会った。毎度のようにコメントをくれ、数字ばかりに目が行きモチベーションの乱高下を繰り返してきた半年の間、何度も励まれた。この方と出会わなかったら続けていなかったかもしれない、と本気で考えている。その方にはこれまで何作も紹介していただいた。アニメや漫画、小説から音楽まで。アニメばっかりな自分にとって、世界を広げてくれる稀少な存在だ。それにしても、縦にも横にも広いアンテナに毎度感心させられる。今回は、大切な同志から教えてもらった作品について書きたいと思う。これまでコメントで済ませてゴメンね!笑

うしおととら

 出会った当時からずっとオススメしてくれた作品。1クールに特化する自分を気遣って、毎回「36話もあるけどゴメンね」という言葉を添えてくれる辺りに、この人は優しさと思いやりに満ちた人だなと思った。見始めるまで半年も待たせてごめんなさい!もっと早く見始めていればよかったと、過去の自分を呪いたいです。

 放送されたのは、2015年。原作は、1990~1996年だから、アニメ化まで20年近く要したことになる。原作を読んでいないので、長い間映像化できなかった理由は分からない。あのグルグルした繊細なタッチは、2000年以前のアニメ技術では実現できなかったのかもしれない。

 36話のうち16話までを見終わった時点で、影響を与えたであろう作品がいくつかある。『ハンターハンター』、『NARUTO』、『家庭教師ヒットマンREBORN!』。それぞれの連載開始は、1998年、1999年、2004年。3作品にもあった(気がする)シーンは、以下の通り。

  • ゴンさん→覚醒したうしお
  • 九尾→白面の者
  • とら→天空ライオン

 具体的なシーンを1つ挙げると、とらが石の塔に立つシーン。うしお側に立つか、一角たち妖側に立つか決めかねるところ。あの構図が、ハンターハンターのキメラアント編でのネフェルピトーを想起させた。周囲にいる人間を物色していて、その後ポックルを見つける流れだったと思う。あと、主人公・うしおが覚醒したロン毛ヘアー姿はゴンさんを髣髴とさせるし、ハンターハンターとの類似点は結構あると思う。

 アニメ化は2015年と最近だが、セリフ回しやギャグセンスは90年代の原作を残している感じを受ける。男勝りなヒロインの性格やクラスメイトとのやり取りからは、平成初期の香りがする。旧校舎を舞台にしたり、鏡に悪霊が宿る感じとかは、『地獄先生ぬ~べ~』ぽさを感じる。ぬ~べ~も、1993年~1999年の連載だから、ほぼ同期に当たるのかな。Z世代には古臭く感じられるのだろうが、20代後半の自分はただただ懐かしく、ちょっと泣きそうになった。

 ハーレム作品と呼ばれるものは、嫌い。手っ取り早く2次元で性欲を満たせまっせ、みたいな作り手の意図通りに見てたまるかと思うから。この作品も、見る人によってはハーレム作品に分類される。旅の道中で出会うのは、どいつもこいつも美少女だし、槍に取り込まれたうしおを救うのは彼女たちだったし。ただ、ハーレムがベースラインとはなっていない。少なくと自分には、バトルを主軸としたロードムービー的な作品に映った。妖怪に囚われた美少女たちは、ほぼ衣服を引きちぎられ、ポロリすんでの演出がある。不用意なエロ描写には我慢ならないたちだが、気にせず見れた。それは、うしおたち男キャラのリアクションがないからだろう。「おいおい」とか「隠せ」とかエロに注目を集める分かりやすい演出がないから、思考停止せずに見れる。

 36話と聞いていたから身構えていたけど、一瞬で1クール分を消化した。まだ母親やラスボスとの対峙を控えているので、ひとまずこの辺にしておこうと思う。

今敏作品

 あの方に出会っていなかったら、一生見なかっただろう作品群。『パーフェクトブルー』、『パプリカ』、『妄想代理人』。精神世界を描いた作品は、かなり特異なメンタル状況じゃないと見ない。先に挙げた3作品はどれも聞いたことはあった。でも、どれもビジュアル的に毛嫌いしていた。あえて言語化するなら、粘着質で埃っぽい感じ。『AKIRA』にも同じようなイメージを持っている。単に古いものを食わず嫌いしているんだなんだろうけど。

 今年300本のアニメ作品を見てきたけど、印象に残っているベスト10を選べと言われたら、今敏作品を複数ランクインさせる。特に、『パーフェクトブルー』を始めてみた時の衝撃は鮮明に覚えている。見終わった夢の中でも、翌日訪れたファーストフード店でも、内田守の影がまとわりついた。良い作品の定義に、夢でも出てくるかというものがある。見ている間は、どの作品にも衝撃や感動を感じる。程度の差はあれど、感情を揺さぶられに行っているのだから、当然といえば当然。潜在意識を投影すると言われる夢で出てくるって、結構なこと。ケンカ別れした旧友や初恋相手は、定期的に出てくるし。

 人はいつか死ぬ。だが、その人の作品は、残り続ける。今敏さんは若くして亡くなったが、これからも今敏作品は生き続ける。来年は、『千年女優』を見てみよう思う。音楽は当時好きだった人を思い出させるように、今敏作品を見るとあの友達を思い出す。

ただ書くだけじゃなく、届けたい

 書き続けることを目的にしているので、自分の書いたものが誰かに届くということを忘れてしまうことがある。「どうせ読まれない」や「とにかく吐き出したい」と、卑屈になっている時は特に。自分が届けたいように届かなくて誰かを傷つけることもある。でも、それは文章だけじゃなくてコミュニケーション全般に言えること。思うように伝わらないから黙っても何の解決にもならないように、誤解を恐れずに伝え続けるしかない。読まれない、伝われない、成長しない、これからも色んな感情を抱えると思う。その度に、彼が言ってくれた「あなたの言葉で励まされている人がいます」という言葉を思い出したい。今年も大変お世話になりました!来年は、もう少しタメ口で話せるようになりたいです。笑