無職と1クールアニメ

「明日休みならアニメみよう」をコンセプトに1クール完結アニメを紹介。ネタバレはありません。

なぜ、ネトフリアニメはつまらないのか?

『バブル』

『B: The Beginning』

デビルマン crybaby』

 

シリーズものも、映画も、Netflixで独占配信されているアニメは、つまらない!

もちろん、面白いものもあるが、ハズレ率の高さは目に余る。

 

だからと言って、「Netflixを辞めよう!」とはならないのが辛いところ。

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』や『オーバーロードⅣ』などの定番人気作、『異世界おじさん』や『サイバーパンク:エッジランナーズ』などの”掘り出し物”が見つかるからだ。

あとは、『梨泰院クラス』『ブレイキング・バッド』などのドラマ勢が強すぎる。

 

なぜ、Netflixアニメはつまらないものが多いのか?

理由は、「ターゲットの違い」と「作り手のやる気」にある。

ターゲットの違い

まず、Netflixのユーザーはどんな人たちなのか?

出典:Netflix Investors

当然ながら、本社があるアメリカを含む北米が多くを占める。

全体の7割近くが、北米とヨーロッパを合わせた「西側地域」。

日本のユーザーは約300万人。

全世界のユーザーが約2億2万人なので、日本は全体の1.3%に過ぎない。

当然、数の多い国や文化にウケるコンテンツを作る。

日本製のアニメも例外ではない。

 

つまり、「日本人による、日本人のための、日本アニメを作る」時代は終わった。

Netflixなどの欧米を基盤とした配信サービスでは、「日本人による、欧米人のための、日本アニメを作る」。

デビルマン crybaby』を例に、外国人ウケを狙っている点を挙げる。

不要なBL要素

1/5配信開始!『DEVILMAN crybaby』が傑作になる7つの予感【3話までのネタバレ有り】 | ciatr[シアター]

主役の2人(不動明飛鳥了)の間には、BL臭がプンプンと香る。

「ここ触れる意味ある?」とツッコミを入れたくなるシーンが満載だ。

恐らく、この不用意なBL設定が「原作至上主義者」がお怒りになる最大の要因だろう。

BLは、一大トピック。

ディズニーやピクサー作品などでは、「二次元×同性愛」はほとんど見られない。

監督を務めた湯浅氏は、「原作に忠実に作った」と語っているが、メインターゲットが望む巨大なニーズを無視するわけにはいかなかったのだろう。

刺激的なビジュアル

欧米などでは、放送コードが厳しい。

日本のアニメではお馴染みのスプラッター(人体切断)やセックスシーンはなかなか見られない。

普段抑圧された欲望を満たすかのように、『デビルマン crybaby』では暴力と性が直接的に描かれる。

DEVILMAN crybabyの感想は?最終回・ラストシーンもネタバレ解説 | 大人のためのエンターテイメントメディアBiBi[ビビ]

Netflix 「 #DEVILMAN Crybaby 」における「同性愛」と「排外主義」 - レインボーフラッグは誰のもの

血しぶきに乱交パーティー

テレビや映画で見ようと思ったら、確実にR指定される描写の数々。

作り手のやる気

Netflix独占」という言葉は、「全ての権利はNetflixにある」ことを意味している。

つまり、制作会社にも、監督にも、声優にも作品の権利は与えられないということ。

1stシーズンが売れて、続編を作るとなった時も、「どこの制作会社で作るか」「誰を監督にするか」「誰が出演するか」を決める権利はNetflixが持つ。

日本式(制作委員会方式)でも、制作会社に権利がない場合もある。

だが、連続ものの場合は、制作会社も監督も声優も同じであるケースがほとんど。

つまり、権利はないけど現場の声を聴いてくれるような配慮があった。

 

権利がないということは、グッズや円盤が売れても自分たちにお金は入ってこないということ。

また、「売れても次も自分が担当するかわからない」という状況下で、作り手が考えることは何か?

 

そこそこのモノを製作費の中で作って、そこそこ儲かれば良い。

 

「良いモノを作ってガンガン稼ごう!」という、本来クリエイターが持つべきモチベーションは失われ、「自分たちの体制で作れる時のために、お金と余力を残しておこう」という保守的な考えに陥る。

このような姿勢で、名作は生まれるだろうか?

否!

冒頭に挙げたような駄作が生まれるだけだ。

小銭稼ぎはいつまでも出来ないかも?

アニメは、日本が誇る輸出産業であると考えることができる。

日本がアニメを作って売り出し(輸出)、アメリカや中国のIT企業が買い取る(輸入)。

しかし、アニメの輸出で儲かる時代は続かないかもしれない。

president.jp

こちらの記事で書かれているように、アメリカや中国では「アニメの自給自足化」が増えてきている。

『天官賜福』や『RWBY』など、「外国発→日本でリメイク」作品も増えてきている。

どの作品も、日本版の方がクオリティが高い。

だが、自慢の資本力を盾に、日本人クリエイターを自国で囲おうとする動きは既に始まっている。

日本よりも、実入り・労働環境・社会的な評価が高いとなれば、外国でアニメを作ろうとするクリエイターは当然出てくる。

そうしたアニメ力の流出が頻発すれば、日本アニメの覇権は崩れてしまう。

 

また、中国においては年々WEBコンテンツの規制が厳しくなっている。

大型のものは審査が通りやすく、作家性の強いコアな作品は通りにくいという色が濃くなってきている。

アニメは、鮮度が命。

中国のサブスク会社は、日本アニメの同時配信をウリにしている。

リアルタイムで配信できるなら高値で買ってくれるが、そうでない過去作の場合には安く買い叩かれる。

その裏には、海賊版サイトの存在がある。

海賊版サイトが勃発する現代では、放送日の翌日には最新話がアップロードされる。

動画配信を運営する企業にとっての最大のライバルは、海賊版サイト。

彼らとの唯一の差別化ポイントは、リアルタイム。

無料でアクセスできてしまう過去作品は、価値低いから安く買いたいと考えるのは当然。

制作会社に権利を持たせる

今後、Netflixを初めとする、配信サービス内のアニメクオリティを上げるためには、制作会社が権利を持つ体制づくりが必要。

具体的には

  1. 配信会社は、日本アニメがスベってる現状を理解する
  2. サブスク会社がそれぞれスタジオを作る
  3. 日本の制作会社が出資して株を保有する

アニメは、「メイドインジャパンの最後の砦」とも言うべき存在。

「ジャパンが作ったアニメは面白い!」というブランドを守るために、作り手がやる気をもてる環境を作ってもらいたい。

shortanime.hatenablog.jp