無職と1クールアニメ

「明日休みならアニメみよう」をコンセプトに1クール完結アニメを紹介。ネタバレはありません。

【2023冬アニメ】第2話まとめ 今のところNo.1は『NieR:Automata』

2023冬クールも2週目を迎えた。第一話の「足切り」をパスした4作品の第2話の感想を紹介していく。なお、本記事はネタバレを含むのでご注意ください

Revenger

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良くも悪くも、予想通り。今回は、筋肉マッチョなお医者さんのもとに、復讐の依頼が入る。今回の利便事(リベンジ)は、春を売る女性から。標的は、店の主人と元夫。グルになって自分の人生をメチャクチャにした相手を道連れにしたいというもの。

妻とその父親を殺してしまった侍は、生きる意味を失う。一時は自決しようと考えたが、利便事をまとめる蒔絵師に説得され、一味に入ることになった。

第一話との違いは、ハイテクマシーンの登場。前回は刀とタコ糸、そして金箔による決着だったが、今回はお医者さんの武器コレクションがお目見え。新入り侍は、底にハリが出てくるシューズを履き機動力が飛躍的に向上。首を斬られた相手が気づく間も無くリベンジを果たす描写はまるで、鬼滅の刃のそれだ。しかし、最も驚いたのが医者。アベンジャーズなどで出てそうな巨大なハイテク弓矢を選択。推定500メートル先の標的を、衣類をはち切れさせて射抜く。2人乗りの舟を破壊させる脅威的な威力を誇り、この作品の時代設定にやや混乱する。

第一話で思い描いた作品像は、鬼平犯科帳。実際に見たことはないが、社会では晴らすことができない恨みつらみを描き、陰の組織が成敗する時代作品を創造していた。しかし、第2話ではテクノロジーを感じさせる武器が登場し、それまでの江戸時代を舞台にした重厚感や湿っぽさが霞んでしまった印象を受けた。アクションで派手さを見せないと今の視聴者は見てくれないという考えによるものなのかもしれないが、暗い世界観を期待していたのでかなり残念。しかし、OPED両方に完全にハマったので、第三話での軌道修正に期待して、もう一周様子を見ることにする。

TRIGUN STAMPEDE

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第一話よりも、見応えのある内容だった。カーチェイスや銃撃戦などがたくさんあって、この作品の見どころが掴めた気がする。

ストーリーは、至ってシンプル。賞金首のバッシュが、今までよくしてくれた街の人に売られそうになるというもの。外部から来たコミカルなフランケンシュタインとその父コンビも加わり、危うく捕まりかける。結局、街の人や賞金首ハンターの親子とも和解し、みんなで酒を飲み交わす。ハッピーエンドに思われたが、昆虫型の「ロストテクノロジー」によって、フランケンシュタインは破壊される。

ロストテクノロジー」を放ち爆発を引き起こしたのは、おそらくバッシュの兄。今のところ詳しい説明がなされていない「ロストテクノロジー」だが、プラントもその一つで作中の重要なカギを握ることは確か。プラントは唯一のエネルギー源であり、人々が鎬を削って争い求める。平たく言えば、この作品の惑星では、「ロストテクノロジーを制するものが世界を支配する」ということなのだろう。

LUPIN ZERO

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オープニングテーマを聞くのは、今回が二度目。前回は「ルパン3世のテーマ」と比較するように、歌詞なしの新曲にやや不満を感じたが評価が一変。メロディーだけでルパンらしさを伝える名曲。背景に流れる映像の色彩やタッチも曲にピッタリで、ルパン制作陣はさすがだなと感心した。

曲への評価も改まったおかげか、第一話ではガキくさいと感じた本編の見方も変わった。たしかにやっていることは泥棒ごっこに他ならない。実際にお宝や仕事の依頼は発生するが、ルパンも次元も中学生。お宝も敵役も全てがチープに映る。だが、それこそがこの作品の見どころのような気がする。アダルトな重厚感を楽しみたいのなら過去のルパンシリーズを見ればいい。この作品で楽しむべきは、手癖の悪いガキがいかにして大泥棒に変質するか。また、クールなガンマンが、いかにして大泥棒の片腕となるか。まだまだ未熟な二人をいかに微笑みながら見られるか、モンキーパンチは視聴者の遊び心を計ろうとしているのではないか。なんでもかんでも「コスパ」で面白さを決めつける現代だからこそ、ただ懐かしさに浸ることができるこの作品の意義を見出したい。

NieR:Automata

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第二話を終了して、2023冬クール史上最も面白い作品。今回は、哲学的な要素を見せてきた。第二話は、神話の語りと植物を愛する機械が交互に映し出される形で、物語が進む。機械生命体は異星人が地球に送り込む敵。機械生命体の暴走により、人類は滅亡寸前に追い込まれた。しかし、人類に害をなさない機械生命体も存在していた。彼は、枯れ果てた大地で時間をかけて植物を育てる。ナレーションでは「機械は宝物を見つけました」と説明されており、賛同した仲間も見つかり少しずつ地球に彩りが蘇る。彼らの存在が何を暗示しているのかは分からない。機械生命体と人類は共存可能であることを言いたいのかもしれないし、機械にも心があると伝えたいのかもしれない。しかし、彼らが築いた楽園は同種の人類への攻撃によって崩壊する。再起不能となる直前に、精一杯白い花に触れようとした機械の姿は、これまで作品に登場したどのキャラよりも最も人間らしかった。

第二話では、レジスタンスと呼ばれる連中が登場する。彼らは、地球に残り機械生命体との闘争に明け暮れる。月から高みの見物を決め込む「地球同盟」に反感を持ち、死ぬまで戦わざるを得ない存在として描かれる。今回、彼らとヨルハ部隊が初めて接触した。圧倒的な火力を誇る2Bたちに圧巻しながらも、全面的に助けを乞うことはしない。今後、レジスタンスが地球の奪還に向けて、地球同盟(ヨルハ部隊)とどのように絡んでいくのかに注目したい。