無職と1クールアニメ

「明日休みならアニメみよう」をコンセプトに1クール完結アニメを紹介。ネタバレはありません。

【2023冬アニメ】楽しみにしていた全13作品の第一話をレポート!

2023年が始めると同時に、2023冬クールが始まった。

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こちらの記事では、2023冬開始のアニメの期待値を可視化した。「顔ぶれ」「世間の期待」などの5項目を5点満点、合計25点で評価した。足きりの結果、13作品を見ることになった。今回は、13作品の第1話を見た感想を書こうと思う。そして、最後に第2話以降もチェックする作品を一覧にしようと思う。

C:一応見る(15~18点)

久保さんは僕を許さない

氷属性男子とクールな同僚女子

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タイトル通りの内容。原作はWEB漫画。雪女の末裔で感情的になると吹雪かせてしまう男性と、感情が表に出ない人間の末裔のクールな女性とのオフィスラブを描く。「場を凍らせる」や「滑る」という表現は、顔から火がでるとセットに使われる火属性だと考えられてきた。しかし、雪女の末裔という設定が乗っかると、緊張時には氷が張り嬉しいときには吹雪を起こす。本作のターゲットは、20代~30代の女性であろう。週に1度、スキンケアをしながらほっこりとキュンを提供してくれる安心感がある。残念ながら継続には至らないが、新しい世界を垣間見ることができて良かった。

REVENGER

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原案・構成・脚本は虚淵玄とあって、文学的な上品な印象のある一作。舞台は、江戸時代の長崎。策略により、許嫁の父親を手にかけてしまった侍。依頼主から命を狙われ、「利便ごと」を生業とする連中に救われる。「利便ごと」の内容は、殺しの代行。名前だけの登場だったが、彼らは教会の命令で動く模様。彼らのボスである蒔絵師は、背中に聖母の入れ墨をいれ、ターゲットを始末するときのセリフからも清教徒であることが伺える。「利便ごと」を漢字変換すると「利便事」となり、タイトルのリベンジになる。他にもこのような言葉遊びや仕掛けが潜んでいそうだと思わせるおしゃれでダークな作品。キャラの構成や世界観としては、ノイタミナ枠で放送された『さらい屋五葉』に近いものがある。主人公が殺した男が加えた金貨の謎や教会の正体など、2話以降も楽しませてくれる要素がたくさんある。個人的に、オープニングテーマは今季かなり流行ると予想する。歌声はマフマフのようだが、クレジットでは違うアーティストだった。アニソンには疎く既に有名人なのかもしれないが、キャッチーな歌詞と小気味の良いメロディは、一度聴いただけでも残る魅力がある。

もういっぽん!

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週刊少年チャンピオンで連載中の漫画が原作。4人の女子高生が柔道に打ち込む日々を爽やかに描く。中学最後の試合、主人公はほぼ失神負けを喫し柔道との決別を誓った。猛烈な受験勉強の末、近所の進学校に合格し、華やかな高校ライフを満喫する手はずは整った。中学からの腐れ縁である剣道女子に連れられた武道場で、人生最後の対戦相手と再会。親友の後押しもあり、もう一度柔道をすることに。

部の復活と戦友との再会という、王道要素てんこ盛りの第一話。物語的には春を舞台にしているが、冬クールに放送するのは、この季節に体育で武道を行う学校が多いからだろう。10年前と変わっていなければ、剣道とダンスのいすれかをしないと体育の単位がもらえなかった。作中でも「冬の畳は氷のよう」という表現があったように、柔道を選択していた当時を思い出す。なぜ、裸同然の格好で冷たいリングに上がらなければいけないのか、毎年冬には大好きだった体育を恨んだものだ。

女子高生4人組をメインにした、大外れなアニメ作品を知らない。サプライズ要素がなくても、爽やかさと可愛げでなぜか評価を甘めにしてしまう魔法がある。この作品にも既に、見続けられてしまうだろうという愛着に似た安心感を覚えている。

Buddy Daddies

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前評判の高い作品。2人組の殺し屋が、ある日父親になる物語。最近のトレンドとして、裏の世界に生きる男、または女が親になる作品が人気である。スパイと殺し屋が仮面夫婦となる『スパイファミリー』、元極道の若頭が主夫となる『極主夫道』。殺し屋の男2人が親代わりとなる作品は、自分が知る限り初めて。正直、オリジナリティはそこぐらいで、他は前述した作品で見たことのあるような展開が続く。冒頭に出てきた「仕事と娘、どっちが大切だと思ってるんだ?」というセリフはキャッチーだが、殺し屋だから娘が熱を出してもすぐに迎えに行けるのではないか、と現実的な見方が先行してしまう。「なろう系」に見られる、転生して最強に生まれ変わるお決まりパターンのように、親が超人的なスキルと職業を持つという展開もやや飽和状態にある。この先どんなことが起こるのか予想できてしまっているので、継続はしない。

僕とロボコ

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あの頃を懐かしく思い出した、厨二心全開アニメ。原作は、2020年から週刊少年ジャンプで連載されている少年漫画。ワンピースやドラゴンボール銀魂などジャンプ漫画のパロディバーゲンセール的な内容。30分見ろと言われれば胃もたれしてしまうが、3分尺だから一気に3話分見ることができる。80年代生まれの『行け!稲中卓球部』、90年代生まれの『ギャグマンガ日和』、00年代生まれの『よんでますよ、アザゼルさん。』の系譜を引き継ぐ、10年代生まれのギャグアニメとなるのではないか。

火狩りの王

1月14日執筆予定。

LUPIN ZERO

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毎週聞いている『ハライチのターン』でもコーナー化され、以前から興味のあった作品。タイトルにある「ZERO」は「創世記」「始まり」などの意味があると考えられ、ルパンと次元が出会った頃を描く。ルパン三世は、シーズンによって毛色が違い、この新作は初期に近いコメディタッチで展開される。「お茶らけていながら決めるところはしっかりと」という成熟したルパンのスタイルは、中学生の時には確立されていることが分かる。また、次元についても「あの帽子」を被りハードボイルドを決め込む代名詞は、学ラン時代から変わらない。五右衛門や不二子、銭形など、名脇役たちの登場を楽しみにしつつ、まずは公開されている3話分を見てしまおうと思う。

B:期待大(19~22点)

スパイ教室

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期待値の調査では、本作は最も世間の期待が高かったと記憶している。原作はファンタジア大賞を受賞したラノベファンタジア大賞がどれほど凄いことなのか、ラノベに疎い自分にはよくわからない。だが、キャストには今をときめく人気声優陣が並び、力が入っていることは伺える。結論からいうと、第2話を見ることはない面白さ。言葉を選ばずにいうと、期待外れ。冒頭2分ぐらいから『暗殺教室』がちらつき始め、30分の間一度も類似過去作を超えなかったし、今後も超えることはないだろうと感じた。「戦争はコスパが悪い」や「おしべをくすぐるミツバチのように」など、所々琴線に触れるフレーズがあったが全体的にドキドキしなかった。主人公の巨乳設定や彼女たちの入浴シーンが、作り手が仕掛けるドキドキ要素なのかもしれないが、その手のそそられ方は駄作の証拠。2016年に放送された『ジョーカーゲーム』の女性版というのが、本作に対する個人的な評価。自分は声よりもストーリーを重視するタイプなので、豪華声優陣だけでは継続するモチベーションとしては弱い。

TRIGUN STAMPEDE

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タイトル通り、お洒落な始まり。宇宙空間をバックに、神秘的な音楽が流れる。顔の似た二人の少年は、宇宙船に乗ってある星を後にする。一方、砂漠に囲まれた星で新聞記者コンビの会話が流れる。将来報道部のエースを期待される大卒少女とアル中の中年男性。エンストした先で出会った、賞金首の男。憲兵団との一騎打ちから街を守った彼は、冒頭に出てきた少年の一人。ヴァッシュと呼ばれる彼は、プラント技士。プラントとは、砂漠に覆われた惑星に残されたライフライン。新しく作ることもできないオールドテクノロジーで、それぞれの町は争い死守する人口資源。ハイテクなワードが飛び交い、世界観の全体像がぼんやりと見せられた第一話。ヴァッシュの兄が因縁の敵役となること、プラントを巡る争いが勃発することなどが予想できるものの、まるでスクリーンで展開されるヴィジュアルと音楽の映像体験が楽しみな作品。第2話も引き続き期待したい。

NieR:Automata Ver1.1a

A-1Pictures制作のSFファンタジー作品。メインキャストは、『進撃の巨人』ミカサ役の石川由依、『鬼滅の刃』竈門炭治郎役の花江夏樹。日本刀に立体機動的な機動力を誇るキャラクター設定に、思わず夢のコラボ実現と想像してしまった前半部。二人が人類のために戦うアンドロイドであることや敵は機械生命体、またそれを操る何かであることが分かると、少しずつ人気声優二人の声が新作品のキャラにアップデートされる。第1話から惜しみなくバトルシーンを見せてくれて、アクションやメカ好きのハートはガッチリと掴むことができたのではないかと思う。自分はそのどちらでもないが、ハードとソフト両面での戦いが同時に進行するアイディアに魅せられた。この手の作品は、ハイテクなワードを並べただけで終わるというケースも多い。特に、第1話は世界観の説明と次への伏線を絶妙に行わないといけない。説明をしすぎても冗長になるし、しなすぎても視聴者を置いてきぼりにし1話切りされる。この作品は、30分でその辺を上手にやっていたと思う。全体的な雰囲気としては、個人的2021年No.1アニメ『Vivy -Fluorite Eye's Song-』に近い。この作品は、ドラマよりもアクションで魅せるタイプの作品だと思うので『Vivy -Fluorite Eye's Song-』とはやや違うが、終末世界を舞台とした名作への期待も少なからずある。本編も然ることながら、マルチエンディングシステムを導入するエンディングも楽しみにしたい。今回は聞くことが出来なかった、amazarashiが歌うエンディング曲も待ち遠しい。AimerのOPは、安定のクオリティでした。まだ3作を見終えた時点にはなるが、第2話が最も楽しみな一作。

大雪海のカイナ

1月11日執筆予定。

第2話以降も見る2023冬アニメ