無職と1クールアニメ

「明日休みならアニメみよう」をコンセプトに1クール完結アニメを紹介。ネタバレはありません。

今クール期待値No.1!『大雪海のカイナ』第1話の感想まとめ

個人的に2023冬スタートのアニメの中で、最も期待値の高かった作品。アニメ制作会社「ポリゴン・ピクチュアズ」40周年の記念作品だそうで、フジテレビ色の強い作品となっている。

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ビジュアル的には、NISSINカップヌードルのCMで見るようなCG交じりの前衛的なタッチ。氷で覆われた惑星を歩く一人の少年。遠くに昆虫を見つけるなり、持っている銃を向け発砲。「子持ちだ」と喜ぶ様子から、この星に生きる人類は昆虫を主食としていることが分かる。巨大生物に横取りされかけるが、少年の約7割の体長を持つ昆虫をゲット。収穫をさげ家族のもとに帰る。彼を出迎えたのは、両親と祖父母と思しき人々。彼らの会話からは、この惑星で生きる人類は彼ら家族と「看板じい」と呼ばれる男性のみ。

一方、大樹の下には雪海と呼ばれる空間が広がる。そこでは、民族間の争いが勃発。女王と思われる少女は、「浮遊虫」と呼ばれる虫に乗って命からがら生き延びる。少年たち一家はこの惑星には自分たちしかいないと言っていたが、大樹の下には複数の民族がいることが分かる。浮遊中に漂い上層界にたどり着いた少女は、狩りに出かけていた少年によって保護されて第一話が終わる。

看板じいの意味は?

第一話で登場したキャラのうち、最も謎なのが「看板じい」と呼ばれる男性。彼は古びた看板を多数保有し、そこに書かれた文字を少年に伝える。彼の「意味が重要なのではない。看板に書かれた文字を読み上げることで、なんかこう、意味がある」という、セリフを残す。ムラが複数存在していた時代、文字を読むことができる人々は「文字読み」と呼ばれ特別な存在だとされていた。しかし、ムラが滅びていくなかで、看板は無用の産物とされ、それらを読むことができる彼らの存在意義を無くしていった。なぜ、主人公の住むムラに「看板じい」は存在するのか。彼は、この作品においてどのような役割を果たすのか。彼が持つ看板は、今後どのような意味を持つのか。下層に住む少女と上層に住む少年たちが、第2話以降コミュニケーションをとることになる。第1話では、両者とも日本語音声が流れていたため、別の言語を話すという設定ではなさそうだ。看板じいは看板に書かれた文字を読むことはできるが、意味までは知らない。下層に住む少女には、看板に書かれた内容が特別な意味を持つのかもしれない。

この作品の全体像は?

この作品は、今後どんな物語が展開されるのか。今の段階で分かっているのは、舞台となっている惑星は上層と下層に分かれている。上層には、少年とその家族、看板じいのみが生きている。下層には、少女たちと彼らと敵対する勢力の生存が確認されている。上層と下層を繋ぐ大樹は、水の供給源となっており大樹は枯れつつある。また、上層に開いた穴は増え続け、穴をふさぐ役割を担う昆虫の数も減っている。オゾン層の破壊を思わせる自然界の変化は、どのような原因があるのか。OPでチラ見する、黒い影とともに映される存在が関係していると見るのが妥当か。第一話で得られる情報だけで考えられるのは、人類の闘争と自然破壊が本作のプロット。具体的には、「少女をトップとする人々VS彼らと争っていた雪海に住む人々」。ただ、雰囲気的にバトルものというよりも政治的な色が強そうな作品。ほぼ戦闘力0の上層に住む少年たちとの出会いが、少女(たち)にとってどのような意味を持つのか。そのカギを握るのは、看板じいが持つ看板にあると予想するがやや強引な気もする。

第一話の感想まとめ

あることないこと色々書いたが、第一話の感想としては「面白そう」だ。PVや公式サイトを見た通りのファンタジー全開の雰囲気が魅力的。今期は終末世界を舞台とした作品が多く、この作品もその一つであると言える。バカでかい昆虫や世界を司る大樹など、ファンタジー作品ではお決まりの要素が確認できた。第一話を見ている中でも、『アバター』や『メイドインアビス』など、いくつかの類似作品がちらついた。結局、「どこかで見たことがある作品の寄せ集め」とならないように、第2話以降で見せてくれるであろうオリジナリティ要素に期待したい。