新規ファンを”つかむ”ために必須な2つの要素
2022年秋クールが始まった。
『BLEACH』『SPY FAMILY』『チェンソーマン』など、豪華なラインナップがひしめく。
しかし、原作のないオリジナルアニメも見逃せない。
- 機動戦士ガンダム 水星の魔女
- アキバ冥途戦争
- Do It Yourself !! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-
- 永久少年 Eternal Boys
- 忍びの一時
既存ファンがないこれらの作品は、原作付き作品以上に第1話を工夫する必要がある。
こちらの記事で紹介されているように、漫画では離脱率を意識した作品づくりが必要。
特に、この書き込みは制作の裏側を反映したインパクトがある。
私も担当さんに「3ページ以内にハプニング起こすかオッパイ出してください」って言われた
離脱率を意識することは、アニメにおいても同じ。
約40ある新作アニメの中から、第1話で見続けたいと思ってもらわなければいけない。
ユーザーが求める掴み
サブスクを利用すれば、全作品を網羅できる時代。
その中でファンの心を掴むためには、「エロ」と「暴力」は必須。
つまり、冒頭にお色気か血肉が飛び交うシーンがない作品にファンはつかない。
そこで今回は、2022秋スタートのオリジナルアニメ3作品が第1話に施した工夫を見てみる。
エロ
『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』は、ものづくり DIY”初心者“女子の日常を描く物語。
サプライズ感は正直なく、地味という印象さえある。
本来、そういった作品は萌え度高めのキャラデザで攻めるのだが、この作品はそういう戦略はとらない。
第1話だけだが、あくまでDIYという質素な雰囲気を一貫しようという姿勢がうかがえる。
だが、序盤から過激要素を求めるユーザーの期待に最低限の形で応えようとしている。
「なんで、この流れで風呂に入る必要が?」とツッコミたくなるが、制作側も仕方なく挿入したのだろう。
1話終盤から、今後女子キャラが続々登場することは分かったが、是非とも百合路線に行かず、純粋なDIYモノとして描き切ってほしい。
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暴力
『冥途アキバ戦争』は、メイドに憧れて秋葉原にやってきた少女を軸に据えたお仕事奮闘記。
ただし、この世界のメイド喫茶は裏では暴力団に近い組織で、各店は抗争を繰り広げている。
第1話から暴力要素がテンコ盛りの同作。
冒頭1分と絶たず、メイドが射殺される。
後半では、新人メイドが銃を乱射して他店のスタッフを一掃。
だが、銃を乱射するメイド自体にさほど驚きはない。
『BLACK LAGOON』のロベルタなど、引くほど強くいメイドキャラは既にいる。
そうした過去の事例と差別化を図るべく、抗争の絶えない平成初期という設定を選ぶ。
正確に測ったわけではないが、第1話の死者数はアニメ史トップクラスだろう。
惜しみなく暴力シーンを見せてくれたのは良いが、2話以降の尻すぼみも懸念される。
蓋を開けてみないと分からないが、出しすぎても出さな過ぎてもダメ。
より繊細さを強いられるオリジナルアニメは、このバランス感覚がカギを握る。
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エロと暴力
『忍びの一時』は、DMM picturesとTROYCAによ
平凡な学生生活を送っていた櫻羽一時は、ある日突然伊賀忍者を束ねる当主であると言い渡された。
同作の第一話では、エロと暴力の両方が見られる。
エロにおいては、暗殺を企てる女子高生によるお色気仕掛け。
暴力においては、敵による暗殺。
伊賀と甲賀を舞台に、エロと暴力が良い融合を見せた作品と言えば『バジリスク』。
過去の良作の二番煎じにならないように、差別化要素がどこに入れるのか。
第1話を見る限り、そうした要素は見当たらなかった。
この時点で、やや弱い感はあるが、オリジナルアニメファンとして2話以降に期待したいと思う。