話しかけてくるのはだれ？

　暇つぶしが好きだ。

　それは、ケータイゲームやYouTubeなど1人で時間を過ごすというものではなく、誰かとちょっとした待ち時間を過ごすのが好き。たとえば、予約なしで人気店の前に15分ほど並ぶとか、料理が出てくるまでの10分ぐらいの暇つぶし。

　年末にあたる今なんかは、今年にまつわるクイズが定番だ。あくまで自分にとっての定番であって、出された方も同じように考えているかは分からない。つい先日も、サッカーの日本戦が始まる5分前に、即席の「2022年を振り返ろうクイズ」を友人宅でやった。難易度の設定を間違えたせいか、やや場を冷やしてキックオフを迎えた。スベることは悲しいが、本来暇つぶしとはそういうものだと理解している。AppStoreで「暇つぶし」と検索して出てくるアプリの9割は、プレイ後1時間もすれば忘れ去れるレベルのもの。暇つぶしは、ガハハという爆笑や喝采を生むメインではなく、あったことも覚えていない程度のつけ合わせ。唐揚げがウリの食堂で信じられないほど美味いご飯のお供を見つけることがあるように、時に信じられないほど盛り上がる暇つぶしもある。

　数ある暇つぶしの中で、老若男女にウケるものがある。それは、心理テストだ。心理テストが不動の人気を誇る理由は、2つあると考えている。1つは、何もしなくて良い点。出題者も回答者も、基本手も足も使わずに完結させられる。ただ、問題と解答、解説が完璧に頭に入っている必要があるため、出題者はスマホを用意するのが通例だ。このお手軽さは、クイズにも共通している。もう1つの魅力は、占い的な要素を持つ点。これまで100名以上の心理テストを見てきたが、食いつきが良いのは女性。それは、占いに共通する真理で、初詣なんかでもおみくじを買わされる男性が散見される。心理テストの中でも、サイコパス度合いを測るものは人気だ。出題者は、普段知らない相手の一面を覗き見れた気がするし、回答者も自分の恥部を見られた妙な興奮がある。

　ここで、よく出題する心理テストを紹介しよう。設定はこうだ。あなたは転校生です。今日は転校初日。あなたのクラスは、全員アニメのキャラです。最初にあなたに話しかけてくる異性のキャラクターは誰でしょうか？

　アニメ好きでなくとも、10人ぐらいは思い浮かべることができるのではないだろうか。

　直感で出たキャラを答えるほうが良いので、シンキングタイムは１分ぐらいに設定する。

　ちなみに、自分の回答までに至る過程はこんな感じだ。クラスメイトは、かごめ、灰原哀、峰不二子、宇崎ちゃん、ヴァイオレット・エヴァーガーデン、ナミ、カスミ（ポケモン）、アスナ、あなる（あの花）、めんま、つるこ、アーニャフォージャー、ヨルなど。

　以上、時代もジャンルもバラバラなキャラ達。直近に見たアニメからの選出が多い。

　「話しかけてほしい人」と「話しかけてきそうな人」は、全くの別物である。自分は、影のある人に魅かれる習性があるので、灰原哀やヴァイオレット・エヴァーガーデンあたりに話しかけてもらいたい。だが、彼女たちは今日来た転校生などお構いなしで、フラスコや速記道具をいじっていることだろう。孤立しがちな存在にそっと手を指し伸ばしてくれそうなキャラ....宇崎ちゃんやめんまあたりだろうか。ナミやカスミなんかも、そのジャンルに入ってきそうだ。その中でも、やはりめんまは一番に席に来て「よろしくね」と言ってくれそうな気がする。

　解説に移る。最初に話しかけてきたキャラクターが、一番合う異性のタイプである。「話しかけられた時の気持ち＝彼/彼女といて自分が感じること」だ。

　自分に合うのはみんなの太陽まんまか。灰原哀やヴァイオレット・エヴァーガーデンといったクールな女性に魅かれつつ、でも合うのはめんま。彼女の年齢を考えると、かなりアウトな香りがするが、たかが心理テストなのでしかるべきところへの通報はご遠慮いただきたい。

　さて、転校生のあなたに話しかけてくるのは、どんなアニメキャラだっただろうか？

　仲間内でやる時は、最初に想像するクラスメイトも含めて発表し合うと盛り上がりますぞ。