「タバコは金持ちの道楽」発言は、真実なのか?
こんばんは。
たばこウィーク第4弾!
今回は、「タバコと経済」というテーマで届けします。
うわ、タバコだ!初めて見た。
タバコをお持ちかな?一つもらっても?
(タバコいい?)部屋の中でしたら、ドーワーの者には見られないようお願いします。
タバコが頻繁に登場するアニメ『ACCA13区監察課』では、「タバコは限られた者だけの嗜好品」として描かれている。
果たして、この”タバコ観”は今の日本にも当てはまるのだろうか?
確かに、ご時世的にタバコは値上げを繰り返している。
ケチで体質的にヤニを受け付けない僕(煙を嗅ぐ・見るのは好き)は、「タバコはお金がないと続かない高級な趣味」という印象を持っている。
今回は、所得と喫煙率というテーマでいろいろと調べてみた。
所得と喫煙率の関係
2010年とやや古いが、喫煙率と所得の関係を表すデータを見つけた。
男女ともに、年収が下がるにつれて喫煙率が高くなるという結果に。
ちなみに、これは「マシュマロテスト」の典型例として引き合いに出される。
マシュマロテストとは、スタンフォード大学の心理学者が50年かけて行った大規模な
実験で、学内にある保育園の4歳の園児たちに、「マシュマロ1個を今すぐもらう」か
「最長20分待ってマシュマロを2個もらう」のどちらかを選択させる。
マシュマロを2個もらうを選択した子供を成人まで追跡調査を行ったところ、、、「長
期的目標の追求と達成が得意で、危険な薬物はあまり使わず、すでに高い教育水準に達
し、肥満指数が大幅に低かった」
つまり、自制心こそが人生の「成功」のカギを握るというもの。
低所得者が喫煙するのではなく「自制心」のない人が学歴も低くなり、収入も低くなる。
だから結果的に、「低所得者」では「喫煙率」が高くなる。という算段だ。
ただ、2010年からはかなり値上がりしているので、多少の変化はあるかもしれない。
地域と喫煙率
先ほどのように、年収や日本というグループで調べると、全体的な結果しか得られない。
そこで、続いては地域別に喫煙の実態を調べてみようと思う。
都道府県ごとの喫煙率
上が喫煙率上位、下が喫煙率下位の都道府県。
全国平均は18.3%。つまり、5人に1人が喫煙者。
最大の北海道(22.6%)と最小の奈良県(15.1%)は、7.5ポイントの差。それほど大きな差はない。
上位・下位の顔触れを見る感じ、西低東高。ただ、九州勢が上位に来ているのが興味深い。
北日本の喫煙率が高いのは、単純に寒いからだろう。とは言え、一年を通して温かい沖縄がTOP10入りを果たしているのは、先述の「年収と喫煙率」に起因しているのかもしれない。
大都市の喫煙率
21都市中、全国平均を超えるのは9都市のみ。
北海道、相模原、大阪、そして九州。
北海道は気候的な要因として、他の3地域は収入との相関が匂ってくる。
そこで、喫煙率の高い4都市の所得水準を調べてみる。
2021年総務省が発表した全国1741市区町村の所得調査によると、
大阪市 173/1741位
相模原市 190/1741位
北九州市 376/1741位
福岡市 121位/1741位
当然というべきか、地方よりも賃金が高い大都市なので上位にランクインする。
所得平均は、高所得者層が平均を引き上げているケースが多分にあるので、低所得者にフォーカスした数字も追わなければ意味がない。
そこで見るのが生活保護受給率。
市町村ごとの統計はなかったので、都道府県別のデータを。
上は、2018年に生活保護を受けていた1カ月平均の被保護実人員を都道府県別に分けて表したグラフ。
あれ?
さっき気候のせいにした北日本勢が、上位に名を連ねる偶然。いや、必然か?
ちなみに、保護率の高い主要都市TOP3は、大阪市、函館市、尼崎市。
生活保護者は、喫煙率が高いのか?
こちらのブログで、生活保護者と喫煙率についての言及があったので、引用させていただきます。
どちらもサンプル数が少なく、部分的ではあるが、「生活保護者は、喫煙率が高い」実態があるとは言えそう。
「タバコは金持ちの道楽」発言は、正しいのか?
全体の市町村別の生活保護受給率が確認できない等、ややエビデンス不足ではあるが、
『ACCA13区監察課』内の「タバコは金持ちに許された道楽」は、現実社会では当てはまらない。
むしろ、低所得者のほうが喫煙率が高いのが実態ではないだろうか。
今後1ダース1,000円のような時代がやってきたら、「タバコは金持ちの道楽状態」に近づくかもしれない。