【ココロコネクト事件】炎上の経緯と作品に与えた影響について解説
『ココロコネクト』というアニメをご存じだろうか。
単なるラブコメでしょ!?と決めつけているあなた。
見てみてください。
そして、裏切られてください。
一つ注意していただきたいのが、作品について調べないでほしい。
事前情報は一切入れない自分は後から知ったことだが、この作品派手に燃えていた模様。
「ココロコネクト」を検索キーワードに入れると、「炎上」が2番目に表示される。
炎上内容としては、主に2つ。
- 主題歌を手掛ける人の不用意発言
- 声優への悪趣味なドッキリ
確かに両方とも炎上しそうなトピック。
だが、注目したいのは”火種”ではない。
炎上を理由に、この作品自体が嫌いになったという声が多いこと。
炎上のせいで、当初予定されていた2期の制作が中止されたという憶測も飛び交う。
以前から思っていたことだが、「炎上した作品=つまらない作品」という構図にとても違和感がある。
例えば、
作品を見たことがない人が
- 事前に作品について調べていたら炎上した過去があった
- 苦手意識を持った
- だから、見ない。
ということなら、分からなくもない。
だが、作品を見た人が、
- 面白いという感想を抱いた
- 炎上騒動を知る
- 作品自体が嫌いになる
というのは、なんか違うと思う。
このSNS時代、炎上は日常茶飯事。
長編アニメともなると、炎上が起きずに完結する方が珍しいくらい。
炎上マーケティングという言葉に代表されるように、意図して炎上を誘発するケースも少なくない。
そこで今回は、炎上時代にアニメを楽しむためにはどんなスタンスを取るべきなのかを考えてみたいと思う。
炎上とは
まず、炎上という言葉について。
総務省は、炎上を以下のように定義する。
「炎上」とは、「ウェブ上の特定の対象に対して批判が殺到し、収まりがつかなさそうな状態」「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる」状態である
出典:総務省公式サイト
- 「どの程度で」収まりがつかなさそうと言うのか
- 「いくつの」サイトでバッシングされたものを言うのか
定量的な基準に欠けている。
炎上認定されるケースが多いのもこれが理由にあると考える。
炎上の種類
映像作品に関する炎上は、作品の「内」と「外」の2種類があると考える。
今回は、アニメ作品の代表的な炎上事例を「内」と「外」それぞれ取り上げる。
作品の「内側」で炎上
作品の「内側」とは、作品自体のクオリティが低いために起こる炎上を言う。
代表的なものとしては、アニメ『ポケットモンスター』のケース。
内容としては、過去作に登場したサトシのライバル・アランが”モブキャラ”扱いされたことによるもの。
バトルシーンでは、アランの代名詞であるリザードンがあっさりノックアウトされる雑すぎる演出には、《いくらなんでも噛ませ犬すぎるだろ》《さすがにないわ メガリザードンになってからが本当に最悪だった》《約6年間待ってたのに、アランの扱い酷すぎですよ!!!》などの批判が殺到した。
他にも、よくあるのが「原作から逸脱しすぎ」で炎上するケース。
原作は全く読まない自分にとっては、このケースの多さに驚くばかり。
原作が最高だと言うなら、アニメ版見なきゃいいのにと思うこともあるが・・・。
作品の「外側」で炎上
作品のクオリティとは関係のないところで起こる炎上が、最近増えてきている。
その典型なのが、下の2つのポスター。
胸を強調しすぎていることなのか、公的なポスターにこのようなイメージが使われていることなのかは解釈が分かれる。
『のうりん』は見たことがないが、『宇崎ちゃん遊びたい』についてはアニメ本編でも胸を強調した演出は見受けられる。
つまり、作品の内側はなんでもOKな自由な空間で、その空間を見に来る人たちは「こういう作品だもんね」という共通認識がある。だから、胸を強調した攻めた演出も問題にならない。
だが、作品の外側の世界にはそうした共通認識がない。だから、作品を知らない人たちも受け入れられるような表現にしなさいということだろうか。
もしそうであれば、流石は『ワンピース』。
作品の内と外でしっかりと表現を使い分けていると感じる。
上はアニメ版の日常的な1シーン。下は日清食品のCM。
胸を小さくするのではなく、露出度の低い服装を着させるということでしっかりと表現を分けているのが分かる。
まとめ
最後に、炎上時代でアニメを楽しむ者として以下のスタンスを提唱したい。
- 大切にすべきは、目の前の作品を見た自分が感じたこと
- 炎上は、起こって当然
- 炎上の有無で、作品の良し悪しを判断しない
- 起こっている(起こっていた)炎上が、作品の「内」「外」どちらにあるかを見極める
- 顔の知らない人が言うことはあんまり当てにしない
ここに書いたことは個人的な主観であることを断っておく。
そのうえで、面白いのに炎上した過去が邪魔をして不当な評価を受ける作品が一つでも減ることを願いたい。