日本の未来はすべて「テンテンさん」が教えてくれた
先ほど入ったコンビニ。
”半”自動精算機で小銭を出すのを見守ってくれたのは、テンテンさん。
名前と外見から、中国人女性であると予想。
お団子ヘアーではなかったが、あのアニメキャラが思い浮かぶ。
なんだか懐かしい気持ちになった。
最近は、外国人のコンビニ店員は珍しくなくなった。
大阪市内ということもあるだろうが、ファーストフード店でも外国人がシフトを支えていると感じることが多い。
実際はどうなのか?
2018年のデータだが、大手4社ともいずれも外国人従業員比率は5%を超える。
2018年の外国人労働者が100万人強だから、日本で働く外国人の2人に1人の勤務先がコンビニということになる。
5割!
アルバイトが本業の大学生(学業の人も一部いるが)と比較してみると。
2020年に「Sync Up(シンクアップ)」が大学生600名を対象に行った調査。
アルバイトをしている大学生のうち、コンビニで働いているのは6.2%。
「塾」や「ファミレス・レストラン」などに次ぐ5番目に多い勤務先。
半分がコンビニである外国人に比べると、大学生はかなり選択肢が広いと言える。
外国人店員が増えた理由
なぜ、コンビニでの外国人店員が増えたのか?
理由は簡単。
日本人がやりたがらないから。
先ほどの大学生の実態でも分かるように、ほとんどの日本人はたくさんの選択肢がある。
コンビニは、その地域の最低賃金レベルであることが多い。
「選べるのだから、もう少し待遇の良い職場を」というのが日本人の考え。
しかし、高齢者など一般的な募集要件を満たさない人たちもいる。
朝や午前中のコンビニに高齢者スタッフを見かけるのは、そういった事情から。
また、コンビニをはじめサービス業では慢性的な人手不足を抱えいている。
積極的に外国人を採用するのは、とりあえず店頭に立つ人を確保するためというのが実情だろう。
そして、日本全体に「コンビニは最終的な受け皿」という共通認識が浸透した今、働き盛りの日本人は「コンビニで働くのは負け犬」みたいな考えがあると思う。
そんな彼らの受け皿が、コロナ禍の巣籠り消費によって生まれた。
UberEatsなどのデリバリーだ。
コンビニや飲食店よりも柔軟性があり、専業にしている人も多いと聞く。
だが、行動規制とともにデリバリーニーズは縮小しつつある。
完全にオフラインに逆戻りすることはないが、どんどん稼ぎにくくなることは明らか。
担い手は、若者から高齢者・外国人に
令和以前は、学生や若手フリーターが、コンビニのメインプレイヤーだった。
しかし、人手不足の深刻化と外国人受け入れの流れにより、コンビニは「社会の最終的な受け皿」の側面が強くなった。
都会を中心に「コンビニで働く人は社会的弱者」という共通認識が出来上がっている。
同時に、以下のことに気づいてしまった。コロナによる行動規制が解けつつある今、2つの問題を抱えている。
- 外国人でも問題なく回る
- むしろ、好待遇を求める日本人よりも扱いやすい
言い換えると、コンビニという最も大きな受け皿は、外国人と高齢者で埋まりつつある。
巣籠りニーズが縮小することで、稼げなくなった日本人を誰が受け入れるのか?
コンビニで出会った「テンテンさん」から、日本の暗い未来展望にたどり着いてしまった。