「一向宗=浄土真宗」さえ知らなかった俺が、織田信長のセリフの意味を考察してみた。
『ドリフターズ』をご存じだろうか?
なんと言っても、見どころは織田信長!
天下人織田信長をNo.2に持ってくるというのは、歴史に詳しくない自分にとってもアツい設定。
必ずお前を王にする
信長好きではなかったが、『ドリフターズ』織田信長には心底惚れた!
死生観や世の理を語る名言の数々に加えて、気になったのが「一向宗」というワード。
確かに、中学の歴史で習った記憶はある。
どうやら信長とは因縁深い相手らしいが、なにせ知識がないのでセリフの真意が分からない。
ということで、信長のセリフから一向宗について調べてみることにする。
一向宗とは
セリフの解剖に入る前に、一向宗についての基本知識から。
一向宗とは、 鎌倉時代の浄土宗の僧・一向俊聖が創めた仏教宗派。 江戸幕府によって時宗に強制的に統合され、「時宗一向派」と改称させられた。 さらに江戸幕府によって強制的に浄土真宗の公式名称とさせられた。以来、他者が浄土真宗、ことに本願寺教団を指す呼称。
出典:Wikipedia
浄土真宗!
聞いたことある!
なるほど、名前を変えたから一向宗は昔の宗教というイメージがあったのか!
一向宗の現在
文化庁発表の「宗教統計調査結果」によると、令和2年12月31日時点で浄土真宗は国内最大の宗派。
浄土真宗と言っても、いくつかの宗派に分かれており、正確な数字は確かではないが、信者800万人は日本の全人口の約7%にあたる。
ちなみに、上が親鸞聖人を宗祖と仰ぐ「真宗教団連合10か寺」。
そのほとんどが京都にあると思いきや、京都4・三重1・滋賀1・福井4。
自分は福井で生まれ福井で育った福井人であるが、この事実を初めて知った。
なるほど、『ドリフターズ』内でも信長の口から「越前」という言葉が出ていたのは、浄土真宗の大本が福井にあることと関係がありそうだ。
信長と一向宗
以下、歴史無知な者による摘要。
桶狭間の戦いで美濃、足利氏を抱き込んで京都、という風に着々と全国制覇をしていた信長が目をつけられた信長。
このままでは室町幕府が倒れてしまうと悟った足利義昭は、信長討伐をもくろむ。
延暦寺の焼き討ちという事件は、政治に介入しようとする宗教勢力への信長なりの権力誇示が目的。
なるほど、どうして寺を焼くのか学生の頃から不思議だったが、その謎が今になって解けた気がする。
歴史でも有名な「一向一揆」は、一向宗VS織田の抗争が続いたことを示すものらしい。
数々の有名武将を戦地に向かわせておきながら、幾度となく制圧失敗したのか。
その答えは、どうやら鉄砲にあるらしい。
『ドリフターズ』内でも、信長が鉄砲に関する言及が多いことは印象的だった。それは、たかが宗教勢力に過ぎない一向宗に苦渋を飲まされた過去があったからなんだろう。
信長のセリフにある一向宗
付け焼き刃ではあるが、信長と一向宗についての最低限の知識は頭に入った。
ここで、本題である信長のセリフについて考えてみる。
セリフ①「一向宗並みの凄い言いくるめを見た」
2人(2体?)のエルフに向かってまくしたてる豊久を見て、信長が言ったセリフ。
文字通りであれば、「一向宗=まくしたてる宗教」と考えられるが、そんな安直な理解で良いのだろうか?
調べてみたが、直接的な回答は見つけられなかった。
ここから書くことは、歴史・宗教の素人によるいい加減な推論であることを断っておく。
「まくしたてる」とは、浄土宗の教えである「専修念仏」から来ているのではないか。
「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで極楽浄土に行けるという教えを信じて、ひたすら念仏を唱える姿を、信長は「まくしたてる」と形容したのではないか。
いや、なんとなく違う気がする。だが、自分の知識の浅さではこの程度の推論しかできない。
ああ、、、もっと歴史を勉強しておけば良かった、、、、
セリフ②「尊厳が無くとも飯が食えれば人は生きられる。飯が無くとも尊厳があれば人は耐えられる。だが両方なくなると、もはやどうでもよくなる。なんにでも頼る。散々俺が一向一揆にやられた手じゃもの。国をかっぱらうには一番の手よ」
いつの時代にも、通用できそうな名言。
歴史に無知な自分は、「なりふり構わずただ我武者羅な人間が、結局強い。敵にすると、一番厄介。」という風に受け取る。だが、このセリフにも信長と一向宗との深い因縁が含まれているような気がする。
一向宗という文脈で勝手に解釈してみると、「絶対の教えに身を委ねる一向宗の連中は強い。戦いで敗れて死んでも、念仏を唱えてきた自分は必ず極楽浄土に行ける。だから、目の前の敵など怖くはない。そんな奴らが、一番ヤバい。」
あまり、宗教的な領域に首をツッコミたくないのだが、、、
自爆テロとかできてしまうのは、信仰対象(神など)によって祝福されることだと信じられるからではないか。
人の恨みや憎しみだけで出来ることには限りがある。結局、大切なのは自分の命。
「生きたい」「死にたくない」という本能を凌駕するためには、絶対的な信仰が必要。
だからこそ、信長を初め統治する者にとって、捨て身ができてしまう奴らが一番厄介なのだろう。
まとめ
息まいてご立派なタイトルをつけたのに、こんな感じでいいのだろうか。
でも、おかげでこれまで敬遠してきた歴史を学ぶきっかけになった。
自分の固定された興味の外に連れ出してくれるのが、アニメや映画を見る醍醐味だろう。
歴史・宗教ガチ勢の方々には、読むに堪えない拙文であることを最後に謝罪しておきます。
正確な知識をお持ちの方は、コメントやブックマークにてご教示いただけますと幸いです(*_*)