無職と1クールアニメ

「明日休みならアニメみよう」をコンセプトに1クール完結アニメを紹介。ネタバレはありません。

アニメ『ひげひろ』に見られる"パパ"発言は真実なのか?

「独身男性が女子高生が一緒に住むなんて、完璧に犯罪」

「『拾う』という表現は、女性蔑視だ!」

援助交際しまくってるヒロインがヤバい」

 

大いに燃えたことでお馴染みの『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』(以降、『ひげひろ』と呼ぶ)。

作者が公式に謝罪したことで、油に火を注ぐ展開に。

 

そんな”問題作”を見ていて、パパ活と結びつけた人も多いのではないか?

自分もその一人で、主人公の以下のセリフが引っ掛かった。

家に帰るとお前がいて、くだらない会話をしながら飯を食って。一人じゃない部屋で寝る。それだけで家がものすごく居心地の良い場所に感じた。早く帰らないとなって思うようになった。サユが家にいてくれるだけで俺の生活はかなり楽しいものになったよ。だから、俺はお前にどうこうしてほしいってわけじゃないんだよな。

 

厳密には、「家出娘を保護しようとする主人公」と「お金を払って少女を買うパパ活男児」は違うが、未成年を「拾う」という点では本質的には同じ。

 

両者が同じだとして、人が良すぎる主人公にツッコみを入れたくなる。

 

「そんなワケないでしょ!」

 

世の中の「パパ」たちは、彼と同じような心理を持っているのだろうか?

つまり、「何の見返りもなくただ一緒に過ごしてくれるだけでいいと思っている人たち」がパパ活をしているのだろうか?

 

自分は、「パパ活=売春行為」と考えている。つまり、性行為なしにパパ活は成立しないと思っている。

 

今回は、パパ活の実態を調べ、このセリフの真偽を確かめたいと思う。

パパ活する人って、どんな人?

まずは、パパ活をする人の属性について。

パパ活マニュアル

パパ活マニュアル

男性は、30代が半数以上を占める。

女性は、20代前半が半数以上を占める。

ここからは、「お金を持ち始めた独身貴族を謳歌する男性」と「結婚する前に遊んでおこうとする女性」がパパ活の主要プレイヤーになっていると言えそう。

と、思いきや。。。

谷町

こちらの調査結果では、パパ活女子の半数以上は既婚者であることが判明!

また、別の既婚者を対象にした調査でも、男性は特にパートナー以外とのセックスをしていることが分かる。

ジャパン・セックスサーベイ2020』より

つまり、『ひげひろ』のような「独身男性×女子高生」という組み合わせはそれほど多くないのかもしれない。

むしろ、「既婚男性×既婚女性」「未婚男性×既婚女性」という、愛人関係寄りの組み合わせが多いのかもしれない。

パパ活する人って、なぜするの?

パパ活女子」の目的は、シンプルにお金。

「生活費の足し」や「お遣い稼ぎ」が上位を占める一方で、10万円以上稼ぐ割合が1/4を占めるなど、パパ活女子の経済感覚はかなり高めと言えるかもしれない。

Balloon

e-venz

対して、パパ活男子の目的がこちら。

メンズハッカー

「その場限りの関係」と「エッチ・愛人目的」を合わせると8割以上を占め、パパ活男子のほとんどが性行為を目的としていることが分かる。

だが、女性のパパ活経験者に聞いた調査では、意外にも性行為を伴わない割合が半数以上を占める。

谷町

この2つの結果から、考えられるパパ活の実態は、

  • 男性は性行為を目的で会うが、食事やデートをするだけで満足して終わる
  • 男性は性行為を求めるが、女性がそれ以上に反対するためしないで終わる
  • 男性は性行為を求めはするが、関係構築が進まないで結局言い出せずに終わる

いずれにしても、実態は「パパ活=性行為が必ず伴う」という一般的なイメージとは多少の違いがあるようだ。

 

ここで一旦の結論を。

問い

「俺はお前にどうこうしてほしいってわけじゃないんだよな」などと考えるパパ活男子は存在しないのか?

答え

いいや、一定数存在する。パパ活に性行為を求める男性がほとんどであるが、中には「食事のみ」「デートのみ」を求める男性も存在する。

海外のパパ活事情

ここで、もう少し視点を外に向けてみようと思う。

『ひげひろ』やパパ活という文化について、海外の人たちはどのような考えを持っているのだろうか?

以前から「拾う」という行為が日本特有の考えのような気もしていたので、その辺を明らかにしたいと思う。

『ひげひろ』に対する海外の評価

まずは、作品全体の評価から。

世界最大のアニメ評価サイト「MyAnimeList」では、10点満点中7.29。

これは、約10,000作品のうち2,545番目の位置。

ハッキリ言って、低評価アニメと言ってよいだろう。

MyAnimeList

レビューを見てみると、日本のアニメファン同様、未成年を「拾う」ストーリーに対する批判が見受けられる。

Higehiro is a story about criminal activity, make no doubt it

Now being serious, what is going on in Shimesaba's head in creating such an... uncomfortable Light Novel?

海外の「パパ活」事情

海外には、「パパ活」文化は存在するのだろうか?

”Sugar daddy”という単語がある。

意味は、「お金持ちで、とくに若い女性にたくさんお金を使う男性」を指す。

つまり、「お金持ち」という点がやや日本のパパ活男子と異なるが、お金で女性を「買う」という文化は海外にも存在する。

ネットを通じてマッチングするというのは日本と同様で、多数のサイト・アプリが存在する。

city paper

すっかり根付いたパパ活文化

「男性からお金をもらう女性」は、これまでは水商売に従事している人や愛人を務める一部のOLや秘書に限られてきた。

しかし、ネットで繋がることが当たり前になる中で、学生や既婚者などの新規プレイヤーが増えた。

マッチングアプリで恋人を探すのが普通になったように、パパ活をする人に対する偏見も少しずつなくなっている感がある。

また、偏見を持っている層は「パパ活=性行為をする」という固定観念を持っている層で、実際には食事やデートで完結するケースも多い。

とは言え、パパ活がストーカーや性トラブルの引き金になっている側面も看過できない。

ソフトが充実し出会い方が急速に多様化する一方で、安心して利用するための法制度が追い付いていないというのが現状。