無職と1クールアニメ

「明日休みならアニメみよう」をコンセプトに1クール完結アニメを紹介。ネタバレはありません。

25年の歴史に幕!ほぼ"同級生"から見たサトシの凄さ

ヤフーニュースを眺めていたら、衝撃の記事を目にした。

news.yahoo.co.jp

あの”サトシ”の現役引退を知らせるニュース。1997年から続いた主人公は、来年からリコとロイという2人体制に変わるとのこと。ポケモンと言えば、ピカチュウとサトシ。主人とともに、相棒のピカチュウも第一線を退くのか気になるところ。

1995年生まれということもあり、自分はサトシとともに人生を歩んできたと言っても過言ではない。アンパンマンやトーマスなどと同じく、物心ついたころからポケモンを見て育った。今回は、お疲れ様の気持ちを込めて、サトシにまつわる印象に残っている描写やシーンについて振り返ろうと思う。

サトシという名前について

 まずは、名前について。世代だからという理由もあるが、人類史上最も有名な「サトシ」であると思う。今の20代後半~10代後半の「智」や「聡」の多くは、『ポケモン』ひいては「サトシ」が国民的な知名度を得たことによるところが大きいと思う。そのことは準主役の「カスミ」や「タケシ」にも同様に言えることで、アニメが与える影響力の大きさを痛感する。

エロ被り

 人類がつば付きの帽子をかぶるようになって、たぶん200年近くが経つ。長いキャップ史上、サトシほど前後逆に被るスタイル(通称「エロ被り」)の似合うキャラを知らない。3次元では、黒人やヒップホッパーがやっているイメージがあるが、いずれもポケモンマスターを目指す少年には及ばない。そもそも、あのスタイルを「エロ被り」だと呼んでいるが、これが日本共通なのか、誰が呼び始めたのか分からない。だが、あのかぶり方の第一人者がサトシであることは間違いない。

ポケモンを愛する心

 サトシが世界的な人気を誇る作品で20年以上も主役を張れた理由は、ひとえに誰よりもポケモンを愛しているから。一見持ちポケモンの中でもピカチュウを依怙贔屓しているようにも見えるが、所有ポケモンはもちろん、野生のポケモンも、分け隔てない愛情を注ぐ。特に劇場版では、身を投げ出してポケモンを庇ったり、ポケモンのために涙を流すシーンが見受けられる。ポケモンは友達だと言えるサトシの変わらない姿勢が、ポケモンという作品が愛される所以なんだと思う。

平凡な少年

 サトシほど、地味で取り得のない平凡な主人公も珍しい。バトルでは結構負けるし、特別な身体能力を持っているわけでもない。だからこそ、良い。負けや挫折を繰り返すサトシに、見る者はゲームでの自分を重ねる。プレイして間もない間は、通りにいるプレイヤーやジム戦で負けを繰り返す。ポケモンバトルは何とか乗り切れたが、ポケモンセンターへの道中で野生のポケモンに負けるなんてことも、ポケモンのあるあるだ。サトシは、まさにそうしたポケモンのゲームプレイヤーを体現したようなキャラなのだ。アニメが愛され続けるのは、ゲームでの自分を客観視する役割があるのではないだろうか。

サトシお疲れ様でした

 サトシが紡いだ25年間は、自分の人生そのものだった。彼のいないポケモンを想うと悲しいが、彼が示した「ポケモンと人間の共生」は、新しい2人にも受け継がれることと思う。また、彼の真っすぐなポケモンを愛するパーソナリティーを演じ続けた、松本梨香さんお疲れ様でした。「サトシ」という日本人の宝は、松本さんだから生み出せた作り出せたものだと思います。